PS3の電源が入らない現象への対処法
PS3を長年使っていると、突然電源が入らなくなる、という現象が見られることがあります。
いきなり電源が入らなくなる=故障と思われるかもしれません。
確かに電源がいきなり入らなくなると故障しているという確率が高いのですが、場合によっては故障ではない可能性もあるのです。
ここではPS3の電源が入らなくなった場合の対処法を紹介します。
メニュー
▼おや?PS3の電源が…?
PS3の電源が入らなくなった原因は大きく分けて
・本体温度の上昇
・YLOD
・故障
の三つがあります。
故障とYLODの場合は復帰がほぼ難しくなりますが、一番最初の「温度上昇」の場合はまだまだ故障ではありません。
しかし、これら三つのどれが原因でPS3の電源が入らなくなってしまっているのかわからない場合もあります。
そんな時は一度PS3の電源を入れてみましょう。
そして、電源ランプの点灯及び点滅状態を観察してみてください。
・症状確認のために電源ランプの点灯状態を確認してみよう
PS3にある電源ランプは、今回の「電源が入らない」不具合に対する症状判断のバロメーターとなっています。
そのため、まずは電源を一度入れる動作を行い、電源ランプの点灯状態を確認することで、何が電源を入れさせないのか調べることが出来てしまうのです。
【電源ランプが赤点滅】
電源ランプが赤く点滅し、電源が入らない及び電源が強制的に落とされるといった場合、PS3本体内部の温度が上昇し、PS3が正常に起動できていない場合があります。
【電源ランプが赤→緑で交互に点滅】
電源ランプが赤と緑で交互に点滅し、電源が入らない及び電源が強制的に落とされる場合も、上記赤点滅状態と同じくPS3本体内部の温度が上昇して、PS3が正常に起動できていないという可能性があります。
【電源ランプが赤→緑→黄→赤点滅→赤点灯の順で変化】
電源を入れた際、PS3の電源ランプが赤から緑に点灯、その後ランプが黄色に点灯し、赤点滅に移行した場合は危険な証拠です。
この状態はPS3が「YLOD」に陥っているという状況証拠に他なりません。
後程詳しく記述致します。
▼PS3の電源が入らない場合の対処法~温度上昇編~
PS3の電源ランプが赤点滅している場合、及び赤と緑で交互に点滅する場合は、PS3本体内部の温度が上昇しているとPS3が訴えていることに他なりません。
なので、PS3本体の温度を下げることが大事となります。
風通しの良い場所で暫し放置しましょう。
大事を取って1時間くらいの放置を行えば、十分に起動するようになると思います。
それから再びPS3の電源を入れてみてください。
温度上昇が原因であった場合は、ちゃんと起動すると思います。
尚、冷蔵庫に入れたり保冷剤を使ったりなど、急激に本体を冷やすような行為は避けた方が良いです。
内部温度と冷やされた空気との温度差で、PS3本体内部に結露を生じさせてしまう可能性があるからです。
内部に生じた結露は、基盤や本体に悪影響を及ぼす「水分」であり、故障の原因となり得ます。
なので、本体を冷やす際は、必ず冷却などせずにゆっくりと温度を下げるようにしてください。
・再びこの現象を起こさないために
PS3は内部温度が上昇しすぎると、メモリや本体の基盤保護のために本体をシャットダウンすることがあります。
なので、PS3の温度上昇を引き起こさないために、置き場所やゲームを行う場所に気を使わなければなりません。
特に
・締め切ったキャビネットの中及びラックの中に置いて使用
・毛足の長い絨毯や座布団の上での使用
・通風孔を塞いでの使用
などを行っている場合は、使用状況を見直し、風通しの良い熱のこもりにくい場所での使用を検討してください。
あまりに熱をかけた状態で使用を続けると、本体のメモリが熱によって故障する可能性が出てきてしまいます。
・いつまでも赤点滅が改善しない場合は?
PS3の電源ランプがいつまで経っても赤点滅から改善しない場合は、PS3本体の故障が考えられます。
その場合はすぐに修理へと出しましょう。
念のため、本体のデータはバックアップを取り、セーブデータはオンラインストレージへとアップロードしておいた方が無難です。
▼PS3の電源が入らない場合の対処法~YLOD編~
PS3の電源ランプが黄色に点灯することがあるならば、初期型PS3に見られることが多いと言われる重大な不良、「YLOD」のせいでPS3の電源が入らなくなってしまっている場合があります。
・YLODとは?
赤ランプ点灯の電源ボタン(イジェクトボタン)を押してPS3起動
↓
本体が「ピッ」と音を出して起動、電源ランプが緑に点灯する
↓
本体のファンが回り出してから「ピピピッ」と音を出す
↓
電源ランプが黄色点灯し、本体ファン停止
↓
温度上昇が見られないにも関わらず、本体の電源ランプが赤点滅する
↓
電源ボタン(イジェクトボタン)に触れると点滅が終了し、電源ランプが赤点灯する
上記のようにPS3の電源が3秒程度で強制的に落ちてしまい、正常に起動しなくなる現象を「YLOD」と言います。
正式名称は「イエローライトオブデス(Yellow Light Of Death)」で、別名「赤ランプ点滅故障」とも呼ばれているようです。
尚、内部にディスクを入れてしまっている場合は、このループのせいでディスクを取り出せなくなってしまいます。
以前の記事「PS3でディスクを読み込まなくなった場合の対処法」にある「ファンの強制システムクリーニング」を行って排出させましょう。
ちなみに電源がついている状態でも突然発生する事案であり、電源がついている状態で
PS3フリーズorブラックアウト
↓
本体が「ピピピッ」と鳴って電源ランプが黄色点灯
↓
本体ファン停止、電源ランプ赤点滅
といったことが起こると、この「YLOD」が発生したということになります。
前述した症例と同じく電源が正常に入らなくなり、ディスクは中に入ったまま取り出せなくなってしまいます。
ちなみに、しばらくしたら正常に起動できる場合がありますが、いつ壊れるかわからない状況となっています。
運良く起動したらすぐにデータバックアップを取り、セーブデータをオンラインストレージにアップロードしましょう。
・なぜYLODが起こる?
YLODの原因は、基板上にある「はんだ」が経年劣化や、PS3本体の温度変化が原因で割れてしまう通称「はんだ割れ」「ハンダクラック」です。
PS3内部の基盤に使われているはんだが何らかの原因で壊れたり割れたりして内部基盤の接触不良が起こり、正常に動作しなくなることが原因となっています。
PS3に使われているはんだは急激な温度変化に弱いくせに、PS3自体は高温になりやすく、電源を切れば即座に温度が下がるため、尚更ハンダクラックが起こりやすくなっているのです。
ちなみにこのYLODは特に初期型に発生しやすくなっています。
100GB以上の容量を持つ新型PS3(CECH-2000シリーズ)以降は若干起きにくくなっているので、何らかの対策が取られているのでしょう。
・対処法
この現象に対する対処法は「無い」と言っても過言ではありません。
発生してしまった場合はソニーの公式オンライン修理サービスを通じて修理に送るしかありませんし、個人で完全に復帰させることは不可能なのです。
ただし、この現象が起きたPS3はメイン基板を交換する関係上、HDDを初期化する必要が出てしまいます。
つまり内部データを全消去しなければならないということになります。
「それでは困る!」と当然思うでしょう。
そこで、完全に自己責任となりますが、一時的なその場凌ぎとして使える方法を以下に教授します。
・最終手段「ドライヤー修理法」
PS3がYLOD状態に陥った場合に使える一時的なその場凌ぎの修理法です。
ただし、これは本当に一時的なその場凌ぎであり、この修理法を使用しても必ずまたYLOD状態になります。
そして、ドライヤーを使って修理する関係上、他の部品にも少なからず影響が出てしまう可能性が高いものです。
それでも一時的に電源を入れることが出来るようになるため、データバックアップだけは出来ます。
そんなデータバックアップ用の応急処置となります。
以下、手順を説明します。
1.本体より電源コード・USBケーブル・HDMIケーブル・AVケーブルなどのケーブル類・HDDを外す
本体からまずはコード類を外しましょう。
そして、取扱説明書に記載されている方法に従って、熱に弱いHDDを取り外してください。
2.ドライヤーの準備をする
ドライヤーの設定を「熱風・強」にします。
(ドライヤーによってはDRYやらなにやら変わる可能性がありますが、とりあえず熱風を強く出すという設定にしておけば問題がありません。)
3.PS3に温風を当てる
PS3を縦置きにして、HDMI端子や電源コードを差し込む面を向けてください。
そして、シリアルナンバーが記載されている側の通気口に向けて、ドライヤーの温風を当てます。
10分から15分くらい当ててください。
この際何やら不穏な「パチッ」とか「パンッ」という音がすることがあるのですが、気にせず温風を当てましょう。
はんだが溶けたような独特の臭気がすることもありますが、気にせず温風を当てましょう。
4.PS3を休ませる
温めたPS3は一旦常温になるまで待ってください。
おおよそ30分くらいを目安にするのが良いでしょう。
5.起動させる
外していたHDDをセットし、コード類を再度セッティングし、PS3の電源を入れてみましょう。
6.何度か行う
一度目で成功するという例は少ないようです。
なので、何度か同じ手順を1から試してみてください。
尚、何度か試す際に状況を変えてみるのも良いでしょう。
温めた後にすぐ起動してみたり、ドライヤーの温風を当てる時間を延長したり、セロハンテープなどで送風する予定の通風孔以外を密封してみたりなど、色々試してみてください。
この方法でPS3が起動したなら、すぐにバックアップを行い、セーブデータをオンラインストレージに保存するなど、PS3のデータを保護しましょう。
上記の方法は本当に一時的な応急処置なので、すぐにYLODが再発する可能性が高いからです。
直ったからと油断せず、データの保護を最優先し、データを完全にバックアップしたならPS3を速やかに修理に出すor買い替えることをおすすめします。
・自分で修理するのはどうなのか?
PS3の分解修理をしようと考える人もいるでしょうが、PS3のはんだは特殊な方法で取り付けられており、専門的な手法でしか修理が行えないようになっています。
なので、自分ではんだづけして修理するのは物理的に不可能であると言われています。
他にも分解するという関係上、分解禁止のシールを剥がすことになりますので、ソニー公式の修理サービスが今後一切受けられなくなってしまう可能性も高くなってしまいます。
更に、修理のために分解しても、結局は応急処置しか行えません。
高い確率でYLODは再発しますので、結局は買い替えや修理に頼ることになります。
そのため、その後に修理に出したい場合に分解修理はかなりリスクの高い行為ということになってしまいます。
分解修理など無理な行為は出来るだけ行わない方が良いでしょう。
▼まとめ
PS3の電源が入らない問題は「温度上昇」か「YLOD」が原因となっていることが大半です。
前者の場合は温度を下げれば再び起動しますが、後者が起こった場合は一大事です。
すぐに応急処置を行って本体を起動させられる状態にし、バックアップとセーブデータのアップロードを行いましょう。
尚、重ね重ね記述しますが、応急処置は応急処置です。
起動したからと言って油断せずにデータの保護を行いましょう。
ライター kanさん 20代 女性
『PS3のジャンク品ががご不要になりましたら当店の買取サービスをご利用下さい。』
創業10年目の合同会社スタビリティが責任を持って買取査定させていただきます。